奈良地方最低賃金 結審する
改正前699円/時間 → 改正後 710円/時間
引き上げ額 +11円 引き上げ率 1.57%
2013年度の奈良県最低賃金を決定する審議は、中央最低賃金審議会が、引き上げ額の目安を10円とする状況の中、7/5に奈良労働局より諮問を受け、4回の本審と7回の専門部会を経て8/23に使用者側一部反対により、結審いたしました。今回、中賃でも議論となった政府の「経済財政運営と改革の基本方針」および「日本再興戦略」に配意した調査審議を求められたことも、昨年と大きく変わった環境下での審議となる要因であった。
使用者側は、企業を取り巻く環境として、今後景気回復へと向かうことが期待される一方、円安による燃料及び原材料費価格の上昇や欧州債務問題、米国の経済リスクなど不確実性が大きい。また、奈良県は、まだまだ景気回復を実感出来る状況にはないとして中賃が示す目安は奈良県の実態と乖離したものであると中賃目安を大幅に下回る提案をした。
これに対し、労働者側として、
① 2010年に雇用戦略対話で合意された「できる限り早期に全国最低800円」を目指すという基本姿勢を守るべきである。
② 人材確保の観点から、近隣との格差を縮めるべきである。
③ 連合リビングウェイジから算出した最低生計費、時間額860円をクリアすべきである。
④ 2013春闘における中小共闘の妥結率1.56%と同額は必要である。
また、インフレターゲット2%、や消費税率引き上げの観点から、大幅アップを主張して審議をスタートさせました。
6回の専門部会では、労使の一致点は見当たらず、最終的に公益側による調整案が提示され、労働側が最終、まで強く主張した金額には一定の理解があったものの、710円の金額提示があり、残念ながら使用者側一部反対での結審となった。
中央審議会の目安10円を上回る解決と、800円を目指す歩みを止めなかった事は評価するが、引き上げ額+19円 819円/時間 の大阪と格差が更に拡大したことは極めて残念。効力発行は、10/20である。