6月29日(土)14時から2024連合奈良地域フォーラムを開催しました。
冒頭、連合奈良の水野仁会長は「地域フォーラムは連合奈良が毎年、地域に関わる課題を地域のみなさまと共有しながら地域の活性化につながることを目的としている。3年半に渡るコロナ禍で大きな社会変容があった。元々あった構造的課題が浮き彫りとなった。特に弱い立場の者にしわ寄せ。連合は春闘を通じ賃上げに取り組んできた。2014年以降で最も高い賃上げとなっているが、現実に目を向けると、現役と高齢者の世代間や正規と非正規の雇用形態間、地方と大都市の地域間、男女の賃金格差等あらゆる格差が深くなっている。こうした生きづらい分断社会を終わらせるためにも、何ができるのか、何が必要なのかの学びや気づきの機会となるよう、また、働くことを軸とする安心社会、ジェンダー平等を進め、誰一人取り残すことのない包摂的な社会の実現の契機となることを期待している」と挨拶しました。
次に「分断社会」と新しいつながりをテーマに立命館大学産業社会学部筒井淳也教授を講師に迎え、ご講演いただきました。筒井教授は「分断したままだと政治の世界等で物事が決められず社会が停滞する、現在の格差は、所得だけでなく『資産格差』、分断をどう克服するは交流しないとダメ、例えば外国人に対する偏見は交流イベントを開催することで改善する。信頼がなければ何をやっても理解されない」、そして「分断・孤立を乗り越えて、『つながり』を再構築するためには、①異質な集団との相互交流・理解の機会を積極的に(制度的に)設ける。②社会の各部分に対する知識を広げる。分断・対立は『知らないこと』から始まる。③人々が『つながる』ことにリスクを感じない社会の仕組みをつくる。専門機関としての組織や行政の役割は大きい」と述べられました。